先日ちょっとだけご紹介した「咸臨丸」関連の書籍、ようやく読み終わりました!
シェアしたいポイントがたくさんあるのですが、本日は
現代人が知っておくべき「咸臨丸」で海を渡った3人の日本人
をご紹介したいと思います。
「歴史にはあんまり興味なくて・・・(^^;)ゞ」
という方でも大丈夫!
それぞれのキャラクターを現代社会に当てはめて、超分かりやす〜くご説明いたします☆
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まずは話の舞台となる「咸臨丸(かんりんまる)」のご説明から。
ペリーの黒船来航により開国を余儀なくされた江戸幕府は、書類手続きのためアメリカに使節団を送ることになります。
メインの使節団一行はアメリカの軍艦で送迎されるのですが、それに随行する形で出発したのが「咸臨丸」。
太平洋を横断した日本で初めての船です。
なにしろ今まで200年以上鎖国していた日本が太平洋横断という大航海に出るわけですから、航海に出るまで、そして航海中はトラブルの連続でした(><;)
主なトラブルをザッと挙げると
・そもそも幕府が、巨額の費用を出して随行の船を出すことに消極的
・どの船を随行させるかが二転三転
・日本人乗組員と同乗したアメリカ人乗組員の仲がギクシャク
・冬の太平洋が大荒れのお天気
・船酔いのため日本人乗組員がほぼ使い物にならず
いや〜、前途多難ですネ・・・(^^;)
それではいよいよ「咸臨丸」で海を渡った3人の日本人をご紹介します。
「咸臨丸」で一番偉かったのは、軍艦奉行である「木村摂津守(きむらせっつのかみ)」。
名前だけ聞くと年齢が高い印象を受けますが、「咸臨丸」に乗った時はまだ30歳前後(現代と当時では年齢の感覚がだいぶ違うとは思いますが・・・)。
人の話をよく聞く、落ち着いて温厚な人物だったそうです。
さて、幕府から大役を仰せつかった木村摂津守は、なんとしてでもこの使命を果たそうと、なんと自前で3000両を用意して船に乗り込みます。
3000両ですヨ!3000両!!o(@.@)o
先に述べたように、随行の船を出すこと自体に幕府が消極的だったため、乗組員達への待遇もあまり良いものではありませんでした。
そこで木村摂津守は、自分の懐から乗組員達への手当などを出し、日本に帰国するまでに3000両はほぼ使いきってしまったとのこと。
いくら裕福な家に生まれたとは言え、私財を投げ打つその覚悟は凄いですネ!
木村摂津守は、今で言うエンジェル投資家かも!?
続いては慶応義塾大学や1万円札であまりにも有名な福沢諭吉。
とは言っても、「咸臨丸」に乗り組んだ当時はまだ20代で、小さな蘭学塾の先生でしかありませんでした。
私が特に面白いと思ったエピソードは、諭吉が「咸臨丸」に乗る前年に横浜を見物した時の出来事。
そこで諭吉は、自分のオランダ語がまったく通じず、また看板の横文字も読めないことに大変ショックを受けたそうです。
当時(ペリー来航から6年後)の横浜居留地では、オランダ語ではなく英語が使われていたんですネ〜(>▽<;; アチャー
しかし、諭吉はめげること無く(イヤ、ちょっとはめげたかもしれないけどw)
「これからは英語が必要だ!」
と独学で英語の勉強を始めたそうです。
そして「咸臨丸」のアメリカ訪問の話を聞きつけた諭吉は、なんとかツテをたどって木村摂津守に頼み込み、アメリカ来訪の際の従者にしてもらいます。
なんという柔軟な思考力!そしてなんという行動力!!
福沢諭吉は今で言う意識の高いインターンですネ!
最後に紹介するのは、「咸臨丸」でナンバー2だった勝海舟です。
勝海舟の生家はあまり裕福では無かったようですが「蘭学を一生懸命やる」「幕府が意見書を公募した際、すぐれた意見書を送る」など、その行動力と実力でグングン出世していきます。
「咸臨丸」に乗り込む前は、長崎の海軍伝習所というところで5年間勉強しており、航海の実質的な責任者でした。
長崎でオランダ人教官から航海術を習っていた勝海舟は、その当時から
「何が何でも外国をこの目で見てみたい」
という強い執念のようなものを持っていたようです。
・アメリカへの随行船を出す、出さない
・どの船で出航するかが二転三転
などの出航前のドタバタでは、幕府と現場の水夫達との間に挟まれ、かなり苦労した様子。
現場の苦労を知っているリーダー勝海舟は、アルバイト出身の叩き上げ社長と言えそうです!
以上
現代人が知っておくべき「咸臨丸」で海を渡った3人の日本人
でした!
なんとなく遠く感じる歴史上の人物も、若い時の人となりやエピソードを知ると、グッと親近感が湧いてくると思いませんか?
無線もレーダーも無い時代、三者三様に
「日本のこれから」
を考えて太平洋への航海に出発した3人の姿に、なんとなく勇気が湧いてきます(^^)
「咸臨丸」関連の記事、あともうちょっと書くかも〜!?
オランダ語ガ通ジナクテ焦ッテイル福沢諭吉先生ノ姿ヲ想像スルト、胸ガ熱クナルネ・・・!