介護疲れの人にぜひ読んでほしい「心の疲れをとる技術」

最近、Twitterで「介護」もしくは「親の老い」に関するつぶやきを見かける回数が増えた気がします(例えばですけど、やまもといちろうさんとか)。

かくいう私も、義理の親を看取ったり、実の両親のサポートをするために頻繁に帰省したりと、気がつけば生活の中で親が占める割合が増えたな〜と思う今日このごろ。

親(義親含む)を大事にしたいと思う気持ちはあっても、やはり日々の生活の中で
「ちょっと疲れたな〜」
「ストレス溜まり気味だワ・・・」
と感じることも正直多々あります(^^;)

そこで本日は
介護疲れの人にぜひ読んでほしい「心の疲れをとる技術」
と題して、コチラの本を紹介したいと思います。

自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術

この本は、陸上自衛隊のコンバットストレス(!)教官によって書かれた、ストレスへの対処方法の本です。

今回はその中でも、特に
「おぉ!コレは介護に役立ちそうだ!」
と思ったポイントを3つ紹介いたします。

スポンサーリンク


介護で心がけたい「目標の7〜3バランス」


まず紹介したいのは「目標の7〜3バランス」という考え方。

本の中ではこんな風に書かれています。

図4(前ページ)のように、なりたい自分を10とし、現在の自分を0としたら、具体的行動を、7から3の間にイメージするのが7〜3バランス目標設定法だ。
いわゆる、「70点でOKとする」という完璧主義修正法と同じように思えるかもしれないが、少し違う。
「70点でOK」は、80点でも、90点でもOKだが、7〜3バランス法では、80点、90点を出しては「いけない」のだ。
(「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」66ページより)

詳しい説明は実際に本を読んでいただきたいのですが、個人的にはこの「目標の7〜3バランス」というのは
「意識」と「無意識」の綱引きを自分でコントロールする方法
だと思いました。

介護においては、親を中心に考えると
意識 :親に優しくしてあげたい
無意識:自分の人生を犠牲にしたくない

自分を中心に考えると
意識 :人生で何かを成し遂げたい
無意識:親をほったらかしで良いの?

という感じで、つねに心の中で「意識」と「無意識」が綱引きをしている状態だと思います。

1人の人間が使えるエネルギーというのは限られているので
「親の生活が第一!そのためには自分はどうなっても構わない!」
つまり
親100:自分0
のエネルギー配分では何年も介護を続けられませんし、
「自分の生活が第一!親には自分の力でどうにかしてもらう!」
つまり
親0:自分100
のエネルギー配分では、事態が手がつけられないほど悪化する可能性が高くなります。

先の例でいくと
「今が0だとしたら、親に3ぐらい優しく出来たらOK!」
「今が0だとしたら、3ぐらい何か成し遂げられたらOK!」
といった気持ちでいられたら、かなり毎日がラクになると思いました。

感情のムダ遣いを減らす「7つの視点」


次に紹介したいのは「7つの視点」という考え方です。

この「7つの視点」というのは、感情(主に怒り)をコントロールする方法の1つで、ムカッとくるシチュエーションに遭遇したら以下の7つの視点でその状況を見直してみます。

1、自分視点 なぜ自分は怒ったのか、何が気に食わないのか、何を傷つけられたか。
2、相手目線 相手はなぜそんなことを言ったのか、したのか。
3、第三者目線 周囲の人にはどう見えたか。
4、時間目線 この問題は、過去、現在、未来とどう関わっているのか。
5、宇宙目線 宇宙人から見たら、神様から見たら、どう見えるか。
6、感謝目線 今回の出来事に感謝できるところはないか。
7、ユーモア目線 ユーモアで表現できるところはないか。

(「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」157〜158ページをもとに作成)

介護をしていると怒りの感情と向き合うことも多いと思いますが、怒っている時というのはどうしても視野が狭くなるので、そんな時はこの「7つの視点」で視野を広げるとかなり冷静になれるのではと思いました。

個人的には、「5、宇宙目線」「6、感謝目線」に助けられる場面が多いです。

「ムカッ!」とくる場面に遭遇しても
「宇宙人の報告レポートにはどんな風に書かれるのかな?」
と想像すると「ププッ」と笑えてきますし、結局のところ
「親が長生きしてくれてありがたいなぁ〜」
という感謝の気持ちで心が落ち着きます。

怒るともの凄く疲れるので、「7つの視点」のうちどれか1つでも使ってなるべく怒らない毎日を過ごせたら良いですね。

「7:3バランス」で毎日の印象をコントロールする


最後に紹介するのは「現状評価」及び「行動評価」の「7:3バランス」という考え方です。

最初に紹介したのは「目標の7〜3バランス」でしたが、ここで紹介する「7:3バランス」というのは、現状のとらえ方や自分の行動に対する評価を「満足7:不満3」のバランスにしておくという手法です。

具体的には、1日を振り返って「良い事を3つ、悪い事を1つ、改善策を1つ」挙げます(良い事3に対し悪い事1で、正確ではありませんがだいたい7:3のバランス)。

この「7:3バランス」に関して、本書ではこんな風に書かれています。

人生や仕事には良い時も悪い時もある。それに一喜一憂して、過剰に喜んだり、逆に落ち込みすぎると、結局「感情のムダ遣い」となり、その分エネルギーを消費し(ムリの蓄積)、パフォーマンスのムラへとつながる。
(「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」215ページより)

介護でも自分の思い通りにならないことが多々ありますが、コントロール出来ないことをコントロールしようとするとものすごく疲弊します。

その一方で、この「7:3バランス」という考え方を使えば、毎日の印象を自分でコントロールすることが出来ます。

「良い事を3つ、悪い事を1つ、改善策を1つ」というバランスが実に絶妙ですよね。

まとめ

以上
介護疲れの人にぜひ読んでほしい「心の疲れをとる技術」
でした。

これから親の状態がどういう風に変化していくか分かりませんが、この本を手元においてボチボチ折り合いを付けつつやっていきたいと思います(^^)

そしてたぶん、このブログを読んで
「こんな方法では僕の(私の)ストレスは解消されない!@100nasuさんは結局恵まれた環境なんだ!」
と思った方もいると思うのですが、そういう人にこそ、この「心の疲れをとる技術」という本をおすすめします。

文章のまとめ方が下手で伝えられなかった点も多々あると思いますが、本当に良い本ですのでぜひぜひぜひ手にとって目を通してみてください。

最後に、この本の中で一番ガツンときた箇所を紹介して終わりにします。

シカシ「コンバットストレス教官」トハ凄イ肩書ダナ・・・。

スポンサーリンク