運転免許が失効した父に手作りの感謝状を送ってみた。高齢の親の運転に悩む人の参考になれば。

最近、高齢者が運転する車による痛ましい事故の報道をよく目にします。

亡くなられた方のご冥福をお祈りし、怪我をされた方の一刻も早い回復を願う一方で、高齢の親を持つ家族の身としては
「一歩間違えば自分が加害者側の立場になったかも・・・!?」
という思いが沸き起こり、報道を見るたびになんとも落ち着かないような気分でもあります(もちろん、自分自身もハンドルを握る立場なので、事故は他人事ではなく、気を引き締めて運転しなければと日々自分に言い聞かせております)。

私と同じように、高齢の親の自動車運転に関して頭を悩ませている方はとても多いと思うので、我が家で行った一つの工夫をご紹介したいと思います。

各家庭によって事情が異なり、上手くいく場合もあれば思ったような効果が出ない場合もあると思いますが、毎日の不安を少しでも減らすなにかヒントになれば幸いです。

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車の運転が大好きだった父

東北某県の小さな街に住んでいる父は、若いときから車を運転するのが大好きで、週末は家族でよくドライブに行きました。

父は車の整備も得意だったようで、車をあれこれいじった後に「試運転」と称してよく二人で夜の街を走ったのもとても良い思い出です。

ですがそんな父も80代になり、助手席から見ていてもハラハラするような運転が目につくようになったので、数ヶ月前、免許更新のタイミングで運転免許を失効させました(このあたりの顛末は、機会があれば別記事で紹介したいと思います)。

ただ、運転免許証が無くても物理的に車を運転することは可能なワケで
「なんとか穏やかに車の運転を諦めてほしい・・・!」
という思いで、今回手作りの感謝状を作成してみました。

無料のテンプレートで簡単に作成できます!

「表彰状」や「感謝状」の無料テンプレートはネットでいくつか配布されているので、パソコンさえあれば気軽に作成することが出来ます。

私は、コチラの印刷会社さんのテンプレートを使わせていただきました。

デジタル表彰状印刷

ちなみに、感謝状を作成する際には
・権威を利用する
・本人の自尊心を考慮する

という2つのポイントを意識しました。

【権威を利用する】
これは個人的な感想なのですが、うちの父も含め高齢男性は権威に対して敏感な気がします。
(例:家族の言うことは聞かなくても、白衣を着たお医者さんの言うことは聞く)

なので、今回作成した感謝状では「○○県警察本部 交通安全管理協会」という架空の組織に登場してもらい、なるべく正統派で重々しい雰囲気の感謝状にしてみました。
(あえて架空の組織にしたのは「公文書偽造うんぬん・・・」という問題を避けるためです(^^;))

ちなみに、あまり報道では目にしませんが、女性高齢者の運転で困っている場合は「お孫さんの名前で作成した可愛いデザインの感謝状」みたいなタイプにして、権威よりも感情の方面からアプローチするのも有効かなと思います。

【本人の自尊心を考慮する】
高齢の親の運転に対して
「免許返納済みのためお父さんは運転禁止!」
といった張り紙を玄関に貼っているご家庭もあるかもしれません。

もちろん、そういった方法も有効だとは思いますが、私としては出来れば父に自分から車の運転を諦めてほしかったので、「感謝状」という形を借りてやんわりと父に
「もう運転は出来ませんよ」
というメッセージを伝えることにしました。

コンビニのネットプリントで印刷

無料テンプレートを利用して感謝状の文面が出来上がったら、次は印刷します。

自宅にもプリンターはあるのですが、今回は出来れば少し厚手の紙に印刷したかったので、コンビニのネットプリントを利用しました。

具体的には、パソコンで作成・保存した「感謝状」を
PrintShash
というアプリを利用して
ファミリーマートのマルチコピー機
で印刷しました。

A4サイズの光沢紙にカラー印刷して、掛かった費用は120円です。

もちろん印刷屋さんに注文すればもっと綺麗で立派な感謝状を作成することが出来ますが、我が家の場合はコンビニの光沢紙で十分満足する出来栄えになりました。

100円ショップの額に入れて完成!

感謝状が印刷できたら、次は額に入れます。

最近は100円ショップでもたくさんの種類の額が売られているので、その中で木目調のデザインの額を購入して感謝状を入れました。

こちらも、もちろん画材店などに行って本物の額(?)を買えばずっしりと重量感のある素晴らしい感謝状になったと思いますが、私としては父に毎日感謝状を手にとって眺めてほしかったので、軽い100円ショップの額にしました。

感謝状を受け取った後の父の様子

私は両親とは離れた場所に住んでいるので、出来上がった感謝状はケアマネさんに宅配便で送り、通いのヘルパーさんから父に手渡してもらいました。

今現在、実家に父の乗っていた車はありますが、カギは私が持っていて両親には車を運転させていません。

感謝状を送った後も2回ほど
「車を運転したいからカギを送ってくれないか?」
「オレはもう免許がないけれど、お母さんの免許はまだ有効なのだから、お母さんが運転するぶんには問題ないだろう?」
といった内容の電話が掛かってきましたが、その度になんとか穏やかに納得してもらうことが出来ました。

そしてつい先日、実家に4泊5日で帰省してきたのですが、その間父から車のカギに関する話はまったく出てきませんでした。

その一方で、私が帰省に利用した車に関して
「走行距離はどれくらいなの?」
などと質問してくるあたりは、やっぱり父のクルマ好きな部分はまだまだ残っているんだな〜と、ハラハラする反面少し嬉しくもなりました。

まとめ

以上
運転免許が失効した父に手作りの感謝状を送ってみた。高齢の親の運転に悩む人の参考になれば。
でした。

最初に書いたようにこの「感謝状」一発で高齢の親の運転に関する悩みが解消するとは考えていませんが、口頭で説明するよりもこういった「具体的なモノ」があった方が意思疎通がしやすくなると思うので、よかったら試してみてください。

ソンナ父ハ今入院中デ、ソノ後老人介護施設ニ入所予定デス・・・。

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