先日ブログでご紹介した『咸臨丸(かんりんまる)』関係の本、モリモリ読み進んでいる真っ最中です!
本日のブログでは、その中で知った
約150年前に書かれた手紙の驚きの内容
についてご紹介したいと思います。
「ビックリ!」して「感動!」した後、イロイロ考えさせられました・・・。
海外に興味のある方、または海外とのコミュニケーションにちょっと悩んでいる方にぜひ読んでいただきたい記事となっております。
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まずは肝心の手紙の引用から。
この手紙は約150年前、ブルック艦長というアメリカ人が日本を離れる直前、横浜奉行にあてて書いたモノ。
自分のそばでしばらく働いていた、政吉という日本人について書いています。
外国人は目上の人に対する尊敬の表現や、同等の人に対する礼儀が非常に異なるのでそれに長年なれてしまった政吉は厳格な行儀を忘れがちで、或いは無礼にみえる事があるかもしれません。もしそのような事がありましたら、何卒御斟酌いただきたく存じます。政吉は真実に母国を愛し、日本の役人と掟を深く尊重しております。
(『咸臨丸、大海をゆく サンフランシスコ航海の真相』61ページ)
・・・いやいや、150年前ですヨ〜Σ(゚口゚;
まだちょんまげサムライの時代ですヨ〜!?
私にとってこの手紙は、超衝撃的でした!
手紙の内容について語る前に、まずは政吉とブルック艦長について簡単に紹介します。
政吉は日本の海で遭難し、アメリカの船に救助されハワイに渡りました。
ハワイにどのくらい滞在したかは不明ですが、ハワイでブルック艦長に出会い、一緒に日本へと帰国。
ブルック艦長は日本に約半年滞在したので、おそらくその半年間はブルック艦長のそばで通訳のような仕事をしていたと思われます。
(アメリカ政府から約119両の報酬ももらっています)
当時、英語を話せる人材は日本にほとんどいなかったので、重宝されたのかもしれません。
一方、手紙を書いたブルック艦長は、ペリーの黒船来航の約6年後、日本の港を測量するためフェモニア・クーパー号という船の艦長として来日しました。
しかし神奈川沖に停泊中、船が暴風雨で座礁してしまい、やむなく横浜に半年間滞在。
その後、勝海舟や福沢諭吉らと共に、咸臨丸という日本初の軍艦に乗ってアメリカに帰国します。
当時、日本人の航海技術は未熟だったので、ブルック艦長が同乗しなければ咸臨丸の航海は失敗していたかもしれません。
ブルック艦長の手紙を読んでまず驚くのは、そのきめ細やかな気遣いっぷり!!
繰り返しますが、約150年前ですヨo(@.@)o
鎖国が解かれたばかりで、日本では函館、横浜、長崎だけが開港されていた時代です。
電話も飛行機もまだ存在しません。
そんな時代に「日本とアメリカの文化の違い」を的確にとらえた上で、ブルック艦長にとっては外国人である政吉について
「どうか暖かく迎えてやってくれ」
と日本の幕府への推薦文を書くその気遣い・・・。
正直、ちょっとジーンとしました(´;ω;`)
そして大変興味深いのは
『政吉は厳格な行儀を忘れがちで、或いは無礼にみえる事があるかもしれません。』
という部分。
現代の日本でも
・帰国子女は敬語が使えない
・帰国子女はモノの言い方がストレートすぎる
みたいな話をたまに目にします。
そして、この話の裏返しで
・日本で居場所を見つけられない
といった帰国子女の方の悩みも目にします。
ブルック艦長も、日本に滞在した半年の間に、日本人(幕府の役人など)と帰国子女(ここでは、ハワイから帰国した政吉)の間の微妙な違和感のようなモノを感じたのでしょうか?
私は帰国子女ではありませんし、また今まで特に帰国子女の方と接する機会が無かったので、この違和感については見聞きした情報から想像するしか無いワケですが・・・。
なんというか
「う〜む・・・(-ω-;)」
と考えこんでしまいました。
2015年の現在、私たちは海外について書かれた本を読むことが出来ますし、海外で作られた映画を見ることも出来ます。
飛行機を使って実際に海外に行くことも出来ますし、インターネットを使えば海外の人とリアルタイムで顔を見ながらお喋りすることも出来ます。
コミュニケーションの技術はとんでもなく進化しました。
でもその一方、コミュニケーションの中身はどうでしょうか?
お互いの文化や習慣の違いを認めた上で、それでも分かり合おうとする努力を続けてこられたでしょうか?
正直私は、技術の進化に見合うだけのコミュニケーション能力をまだ身につけられずにいます。
同じように感じる日本人の方も多いのでは?
1860年に書かれたブルック艦長の手紙に、2015年の日本人が学ぶべき点は多いと思います。
以上
約150年前に書かれた手紙の驚きの内容
のご紹介でした!
『咸臨丸』関連のエピソードには、現代の日本人にとって重要なヒントがたくさん詰まっていると思うので、今後も引き続き取り上げていきたいと思います。
歴史って面白〜い(*^^*)
学生ノ頃ハアンナニツマラナク感ジタ歴史・・・。
歳ヲ取ルノモ悪クナイネ!